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論文

福島第一原子力発電所の廃止措置を安全に進めるうえで考慮すべきラジオリシスの影響

端 邦樹

材料と環境, 70(12), p.468 - 473, 2021/12

東京電力福島第一原子力発電所の汚染水中の腐食環境の評価においては、建屋内が放射線環境下にあるため、水の放射線分解(ラジオリシス)により生成する過酸化水素(H$$_{2}$$O$$_{2}$$)等の酸化剤の影響を考慮する必要がある。ラジオリシス過程及びそれにより発生する酸化剤の生成量は水質や放射線の線質などに依って変化する。そのため、この10年間、水の放射線分解に寄与しうる様々な要因(海水成分、酸化物の表面の作用、$$alpha$$核種等)を対象に研究が進められてきた。本稿では、汚染水中の腐食環境のより深い理解に繋げるため、これらの要因のラジオリシス影響について解説する。

報告書

電着法を用いたマイナーアクチノイド線源の製作

中村 聡志; 木村 崇弘; 伴 康俊; 津幡 靖宏; 松村 達郎

JAEA-Technology 2020-009, 22 Pages, 2020/08

JAEA-Technology-2020-009.pdf:2.92MB

分離変換技術開発ディビジョンでは、マイナーアクチノイド(MA)核データの検証に資する核分裂反応率について、核分裂計数管を用いた測定を検討している。そのため、核分裂計数管用のMA線源の作製, 定量及び不確かさの評価を行った。電着法を採用して、$$^{237}$$Np, $$^{241}$$Am, $$^{243}$$Am及び$$^{244}$$Cmの4核種について電着量が異なるMA線源を7種類作製した。さらに、同位体希釈法を用いて放射能を定量した$$^{244}$$Cm線源元液から$$^{244}$$Cm作業標準線源を作製し、これを用いて算出した計数効率を適用して各MA線源の放射能を定量した。その結果、作製したMA線源の放射能として、$$^{237}$$Np線源は1461Bq, 2179Bq及び2938Bq、$$^{241}$$Am線源は1.428MBq、$$^{243}$$Am線源は370.5kBq及び89.57kBq並びに$$^{244}$$Cm線源は2.327MBqを得ると共に、不確かさを0.35%(1$$sigma$$)と評価した。本報告書では、MA線源の作製及び定量方法並びに不確かさ評価の過程についてまとめる。

論文

Analysis of plutonium isotope ratios including $$^{238}$$Pu/$$^{239}$$Pu in individual U-Pu mixed oxide particles by means of a combination of alpha spectrometry and ICP-MS

江坂 文孝; 安田 健一郎; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 間柄 正明

Talanta, 165, p.122 - 127, 2017/04

 被引用回数:15 パーセンタイル:51.9(Chemistry, Analytical)

本研究では、単一ウラン-プルトニウム混合粒子中のプルトニウム同位体比を、アルファ線計測および誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)の組み合わせにより決定する方法の開発を行った。その結果、$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu、$$^{241}$$Pu/$$^{239}$$Puおよび$$^{242}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比についてはICP-MSにより決定することができ、$$^{238}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比については、アルファ線計測により求めた$$^{238}$$Pu/($$^{239}$$Pu+$$^{240}$$Pu)放射能比とICP-MSにより求めた$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比より計算で決定することができた。したがって、アルファ線計測およびICP-MSの併用は、単一ウラン-プルトニウム混合粒子中のプルトニウム同位体比分析に有効であることが示された。

論文

Radiation effect on pn-SiC diode as a detector

木下 明将*; 岩見 基弘*; 小林 健一*; 中野 逸夫*; 田中 礼三郎*; 神谷 富裕; 大井 暁彦; 大島 武; 福島 靖孝*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 541(1-2), p.213 - 220, 2005/04

 被引用回数:27 パーセンタイル:84.77(Instruments & Instrumentation)

高エネルギー物理の実験で使用可能な炭化ケイ素(SiC)ダイオードを用いた耐放射線性のアルファ線検出器の開発を目的に、六方晶6H-SiC上に作製したpnダイオードへ$$gamma$$線照射及び電子線照射を行い電荷収集の変化を調べた。pnダイオードは、p型6H-SiCエピタキシャル膜にリンイオン注入(800$$^{circ}$$C)後、熱処理(1650$$^{circ}$$C,3分間、Ar中)することでn$$^{+}$$領域を形成し作製した。$$gamma$$線は$$^{60}$$Co線源により室温で1MR/hのレートにて250Mradまでの照射を行った。電子線照射は2MeVのエネルギーで1$$times$$10$$^{15}$$/cm$$^{2}$$まで行った。$$^{241}$$Amより放出される4.3MeVアルファ線を用いて電荷収集を測定した。またマイラー膜にてエネルギー減衰させることで1.8MeVアルファ線についても電荷収集測定を行った。その結果、250Mradまでの$$gamma$$線照射,1$$times$$10$$^{15}$$/cm$$^{2}$$の電子線照射によっても電荷収集効率は低下しないことが明らかとなり、SiCの検出器としての優れた耐放射線性が明らかとなった。また、空乏層内でイオンが停止する1.8MeVアルファ線の場合は電荷収集効率が100%となることが見いだされた。

報告書

環境中における長半減期放射性核種の定量法とそのレベルに関する調査研究(III)

not registered

PNC TJ1309 98-001, 161 Pages, 1998/02

PNC-TJ1309-98-001.pdf:5.01MB

本報告は、昨年度に引き続き環境中に存在する核燃料サイクルに深く関連した長半減期放射性核種の分析定量法とそのレベルに関する調査研究結果をとりまとめたものである。本調査研究は1995年度から1997年度の3ケ年間で行われ、最終年度としての本年度は、学会から最新情報を入手すると共に、分析法の妥当性を確認する手法の一つであるクロスチェックを、海底土試料中の$$alpha$$核種分析について実施した。本報告書には、以下の項目の内容が記載されている。(1)環境における放射性核種の挙動(2)放射性核種の分析法(3)学会からの情報収集(4)クロスチェック($$alpha$$核種分析)

報告書

環境放射能調査研究成果発表会報告(第32,33,34,35回)-環境安全管理に係る発表-

飛田 和則; 片桐 裕実; 住谷 秀一; 森田 重光; 森澤 正人; 植頭 康裕

PNC TN8450 95-004, 75 Pages, 1995/03

PNC-TN8450-95-004.pdf:1.57MB

本報告書は、放射線医学総合研究所講堂(千葉)で開催された環境放射能調査研究成果発表会の第32回、第33回、第34回及び第35回研究成果発表会において、安全管理部環境安全課から発表した研究報告をとりまとめたものである。第32回研究成果発表会は、平成2年11月28日に開催され、「環境試料中Pm-147及びSm-151分析法の開発」について報告した。第33回研究成果発表会は、平成3年11月27日に開催され、「誘導結合プラズマ質量分析法を用いた長半減期放射性核種の定量」について報告した。第34回研究成果発表会は、平成4年12月9日に開催され、「環境中Pu及びAmの濃度水準に関する調査」について報告した。第35回研究成果発表会は、平成5年12月1日に開催され、「$$alpha$$/$$beta$$弁別測定を用いたSUP241/Pu定量法」について報告した。今後とも、これらについて検討を継続する予定であり、また関連する環境安全研究を進めていくなかで、参考にされたい。なお、第35回研究成果発表会において、特別講演として「ノルウエー及びロシアによるバレンツ海及びカラ海における環境影響調査」について報告した。

論文

やさしく語る放射線

菅野 卓治*; 関 晋

新コロナシリ-ズ,22: やさしく語る放射線, 133 Pages, 1993/11

原子力の安全性にとって、基本的にいつも問題となる放射線について、発生の仕方、その性質、性質に応じた得失および防護などを文献・資料にもとずいてまとめたものである。

報告書

長半減期放射性核種の定量法に関する調査研究

not registered

PNC TJ1545 93-004, 122 Pages, 1993/03

PNC-TJ1545-93-004.pdf:4.76MB

本報告は、本邦での核燃料サイクル施設の本格的稼働を間近に控えたこの時期において、環境中での核燃料サイクルとも関連した長半減期放射性核種の分析定量法を調査した結果をとりまとめたものである。各核種につき既に汎用化されている従来法はもとより、放射能測定を伴わない質量分析器を最終検出器とする最新の分析定量法についても、サーベイした。また、幾つかの核種については、分析対象物質毎に試料の前処理を詳しく記述し、実際の分析に役立つよう配慮した。

報告書

実廃液ガラス固化体の$$alpha$$加速試験(2)物性評価試験(動燃ー原研共同研究)

斉藤 誠美; 山田 一夫; 北野 光昭; 黒羽 光彦; 清宮 弘

PNC TN8410 92-056, 43 Pages, 1992/03

PNC-TN8410-92-056.pdf:3.74MB

高レベル放射性廃液ガラス固化体の放射線に対する長期耐久性について知見を得るため、原研動燃共同研究によるアルファ加速試験を実施した。再処理工場の高レベル放射性廃液を使用してSUP244/Cmを添加したガラス固化体を作製し、アルファ線による放射線の影響を加速し、所定の経過年数に相当したガラス固化体の物性評価試験を行った。試験に使用したSUP244/Cm添加実ガラス固化体の成分分析の結果、SUP244/Cmの濃度及びガラス組成はほぼ目標どおりであることが確認できた。この試料を使用して所定の経過年数に相当したガラス固化体の物性評価試験を行った。光学顕微鏡及びEPMA観察の結果、加速年時で約1万1千年相当時においてもクラックの発生は見られなかった。また、約6千年及び1万1千年相当時における浸出試験により得られた浸出率はこれまで高レベル放射性物質研究施設において同条件で行った浸出試験結果と同オーダの値であった。これらの結果から、高レベル放射性廃液ガラス固化体は約1万1千年相当時においてもガラス固化体の物性に著しい変化は見られず、放射線に対して長期間にわたり耐久性を有することが確認できた。

論文

X-RAY powder diffraction analysis of alpha-event radiation damage in zircon(ZrirO$$_{4}$$)

村上 隆; Bryan C.Chakoumakos*; Rodney C.Ewing*

Adv.Ceram., 20, p.745 - 753, 1986/00

Sri Lanka産のZirconは地質学的時間スケールで結晶中でのアルファ線損傷の効果を調べるのに好都合なサンプルである。7つのZirconを使いドーズ計算のためU,Th濃度を調べた後、X線粉末法により、アルファ線損傷の進行状況が解析された。その結果、結晶中でのアルファ線損傷による変化は一次的でなく次のような3段階に分けうることがわかった。(1)3$$times$$10$$^{1}$$$$^{5}$$$$alpha$$/mg以下。回折ピークは鋭いが位置は移動する。反跳核による非周期性領域(いわゆる非晶質部)の発生の段階。(2)3-8$$times$$10$$^{1}$$$$^{5}$$$$alpha$$/mg。ピークプロファイルの拡大と非対称化が進む。非周期性領域の増大の段階。(3)$$>$$8$$times$$10$$^{1}$$$$^{5}$$$$alpha$$/mg以上。X線的に非晶質になる。広範囲での周期性を失う段階。また新しいDeconrolution法で求められた格子定数は従来法によるそれと特に(2)の段階で差が認められた。

報告書

臨界警報装置用中性子検出器長期安定性試験

金盛 正至; 江花 稔*; 関 昭雄

PNC TN841 84-20, 48 Pages, 1984/06

PNC-TN841-84-20.pdf:0.5MB

臨界警報装置用中性子検出器は,半導体検出器に235U(約90%)を密着し,中性子が235Uと反応した際発生する核分裂片を検出する検出器である。235Uからは,通常,$$alpha$$線が放出されており,半導体が劣化していく。このため,検出器の寿命試験及び,実際に現場に配置した場合の,ノイズ等に対する安定度を試験する必要がある。▲試験は,再処理工場A348室に,中性子検出器3個を設置して行なった。設置試験期間は,昭和56年6月18日から,昭和57年6月19日までである。▲試験の結果,$$alpha$$線スペクトルについては,特に劣化を認めなかった。現場設置作動試験においてはランプ不良2回,コネクタ不良2回が,発生したものの,検出器の長期安定性には,問題のないことが判明した。▲

口頭

アルファ粒子誘起過渡電荷を用いた4H-SiCショットキーバリアダイオード中の欠陥評価

神林 佑哉; 小野田 忍; 加田 渉*; 牧野 高紘; 星乃 紀博*; 土田 秀一*; 大島 武; 神谷 富裕; 花泉 修*

no journal, , 

半導体デバイス中に発生する照射欠陥の評価技術として開発を進めているアルファ線誘起電荷スペクトロスコピー(APQTS)評価装置の改良を行うとともに、その装置を用いて電子線や陽子線照射により六方晶炭化ケイ素(4H-SiC)を用いたショットキーダイオード(SBD)型粒子検出器に発生する欠陥を調べた。評価装置の改良としては、従来の試料が固定されたチップキャリアを冷却・加熱する方式から、試料を直接冷却・加熱ホルダーに固定する方式へとすることで、200K$$sim$$600Kであった測定温度範囲を100K$$sim$$600Kとした。この装置を用いて、1MeV電子線, 3MeV陽子線を照射することで電荷収集効率を低下させた4H-SiC SBDのAPQTS評価を行った。その結果、350K付近にAPQTSスペクトルのピークが観測され、このピークをアレニウスプロットすることで活性化エネルギーを求めたところ0.55eVであることが判明した。この欠陥ピークが室温付近で観測されること、0.55eVと深い準位であることから、この欠陥の発生により4H-SiC SBDの粒子検出特性が低下すると結論できた。

口頭

核反応$$^{209}$$Bi($$^7$$Li,5n)$$^{211}$$Rnでの$$alpha$$放射線療法用$$^{211}$$Atの製造

西中 一朗; 鷲山 幸信*; 横山 明彦*; 前田 英太*; 橋本 和幸; 牧井 宏之

no journal, , 

$$^{211}$$Rn/$$^{211}$$Atジェネレータは半減期7.2時間の$$alpha$$放射体$$^{211}$$Atを内用治療用のアイソトープとして供給する方法として提案されている。$$^{211}$$Rn/$$^{211}$$Atジェネレーター技術を確立するためには、半減期14.7時間の$$^{211}$$Rnを60MeV $$^7$$Liイオンビームを低融点、低熱伝導率の金属ビスマス標的に照射し、核反応$$^{209}$$Bi($$^7$$Li, 5n)$$^{211}$$Rnで合成する必要がある。本研究では、金属ビスマス標的がビーム照射の発熱によって融解することなく製造できる照射条件を決定するため、独自に開発した循環ヘリウムガスによる冷却機能を備えた照射装置についてのヘリウムガスの冷却効果を調べた。実験はタンデム加速器において実施した。実験の結果から、ヘリウム存在下では、圧力($$>$$1kPa)ならびに流量($$sim$$20L/min)に依存せず、有効な冷却効果が得られることが明らかになった。

口頭

アルファ線計測および質量分析によるウラン-プルトニウム混合微粒子の$$^{238}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比分析

江坂 文孝; 安田 健一郎; 鈴木 大輔; 間柄 正明

no journal, , 

原子力施設等において採取された環境試料中に含まれる個々の核物質含有微粒子に対して同位体比分析を行うことは、個々の微粒子の起源や環境への影響を知る上で重要である。近年では、ウラン(U)とプルトニウム(Pu)を混合した燃料も原子力発電用に利用されているため、U-Pu混合微粒子に対する同位体比分析法の開発が急務である。本研究では、単一のU-Pu混合微粒子を溶解し、U, Puおよびアメリシウム(Am)を分離した後に、アルファ線計測およびICP-MSで測定し、$$^{238}$$Pu/$$^{239+240}$$Pu放射能比と$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比から$$^{238}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比を求める方法を開発した。

口頭

福島第一原子力発電所の廃炉環境におけるラジオリシス

端 邦樹

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所(1F)の原子炉建屋内は放射線環境下にあり、構造物の腐食の観点から安全な廃炉作業を進めるためには、汚染水の放射線分解(ラジオリシス)により生成する水素や過酸化水素の生成量の把握が重要である。本発表では、1F事故後に進められてきた海水や酸化物微粒子のラジオリシスへの影響に関する研究成果を紹介するとともに、今後のデブリ取出し等の作業を安全に進めるうえで重要になるアルファ核種のラジオリシスへの影響等について述べる。

口頭

$$alpha$$/$$beta$$/$$gamma$$線ラジオリシス影響下における格納容器系統内腐食評価と腐食抑制,2; $$alpha$$線照射による腐食影響

佐藤 智徳; 佐藤 修彰*; 端 邦樹; 加藤 千明; 渡邉 豊*

no journal, , 

福島第一原子力発電所の格納容器は、放射線照射下の腐食環境にさらされている。特にデブリ近傍の材料は、ガンマ線だけではなく、デブリ由来のベータ線やアルファ線にもさらされている可能性がある。しかし、アルファ線やベータ線に直接照射された条件での腐食評価例は少ない。そこで、本研究では、炭素鋼及びステンレス鋼の腐食へのアルファ線の影響を評価するため、アルファ線源を用いた電気化学試験を実施した。その結果、炭素鋼の分極抵抗の低下、およびステンレス鋼の電位の貴化が確認された。

口頭

アルファ線ラジオリシスによる腐食環境評価

端 邦樹; 佐藤 智徳; 加藤 千明; 佐藤 修彰*

no journal, , 

水に放射線が照射されると放射線分解(ラジオリシス)を起こし、酸素(O$$_{2}$$)や過酸化水素(H$$_{2}$$O$$_{2}$$)といった酸化剤が生成する。この酸化剤の生成挙動は放射線の種類や溶存酸素等の液相中の成分等の複数の因子の影響を受けて複雑に変化するため、ラジオリシスが腐食に与える影響を評価するためには、条件毎の丁寧な計算が必要となる。東京電力福島第一原子力発電所(以下、1F)のプラントの格納容器内に存在する燃料デブリには、Pu等のアルファ線源が含まれている。デブリ取出し時に切削を行うと、アルファ線源を含むデブリ微粒子の発生が想定される。このような状況でこの微粒子が構造物や配管等の材料表面に沈殿・付着すると、材料が局所的なアルファ線照射環境にさらされることになる。本研究では、1F建家や各種系統の構造材料の腐食への燃料デブリ由来のアルファ線の影響評価に資するため、燃料デブリ中のアルファ核種の種類や放射能量を推定したうえで、そこから放出されるアルファ線の線量率を推定し、アルファ線に起因するラジオリシス由来の酸化剤生成量を見積もった。また、酸化Pu粉末を用いた腐食電位測定により、実際のアルファ線による腐食への影響を実験的に確認した。その結果、アルファ線の飛程は約40$$mu$$mと短いものの、H$$_{2}$$O$$_{2}$$の拡散により、ラジオリシス影響は飛程を超えて数百$$mu$$m$$sim$$数mmの範囲に及ぶことが分かった。今回の評価は燃料デブリ近傍を対象とした微視的な評価結果であり、実際の1F各号機の建屋内環境の評価の際には、循環する冷却水による希釈効果や流速の影響等を考慮する必要がある。

口頭

固体材料中のプルトニウム239からのアルファ線による水の分解に関する実験的研究,1; 固体材料粉末から放出されたアルファ線のエネルギースペクトル

永石 隆二; 伊藤 辰也; DiPrete, D.*; Fellinger, A.*

no journal, , 

福島第一原子力発電所(1F)事故から10年以上経過した燃料デブリの保管ではアルファ線による水の分解の重要性が増しているが、アルファ放出核種が固体材料中に存在していると、核種から放出したアルファ線は材料中で減速して、材料から逃れたアルファ線エネルギーはより低く連続となる。このエネルギースペクトルは材料の種類やサイズによって異なり、これは水の分解G値のパターンや大きさに影響を及ぼすため、アルファ線分解を研究するには、このスペクトルを測定・評価する必要がある。本研究では、Pu-239を含む固体材料の粉末を用いて、この粉末からのアルファ線のスペクトルを測定した。そのスペクトルからアルファ線の線エネルギー付与(LET)を評価して、これを核種が水中の溶存種である場合の値と比較した。

口頭

アルファ線による局所領域の腐食環境評価

端 邦樹; 佐藤 智徳; 加藤 千明; 佐藤 修彰*

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所(以下、1F)のプラントの格納容器内に存在する燃料デブリにはPu等のアルファ線源が含まれている。デブリ取出し時に切削を行うと、アルファ線源を含むデブリ微粒子の発生が想定される。このような状況でこの微粒子が構造物や配管等の材料表面に沈殿・付着すると、材料が局所的なアルファ線照射環境にさらされるため、ラジオリシスにより生成する酸化剤の影響で局所的に腐食が促進される可能性がある。本研究では、1F建家や各種系統の構造材料の腐食への燃料デブリ由来のアルファ線の影響評価に資するため、燃料デブリ中のアルファ核種の種類や放射能量を推定したうえで、そこから放出されるアルファ線の線量率を推定し、アルファ線に起因するラジオリシス由来の酸化剤生成量を解析的に見積もった。また、酸化Pu粉末を用いた腐食電位測定により、実際のアルファ線による腐食への影響を実験的に確認した。解析では、アルファ線の飛程は約40$$mu$$mと短いものの、バルクのガンマ線の線量率より60倍程度高い空間線量率となること等を確認した。また、このようなアルファ核種近傍では鉄鋼材料の腐食速度が有意に上昇する可能性があることも示された。なお、今回の評価は燃料デブリ近傍を対象とした微視的な評価結果であり、実際の1F各号機の建屋内環境の評価の際には、循環する冷却水による希釈効果や流速の影響等を考慮する必要がある。

特許

α線放出核種の分析方法及び分析装置

瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 前田 亮

西中 一朗*

特願 2019-136227  公開特許公報  特許公報

【課題】溶液中のα線放出核種の化学形毎のα線量を、迅速且つ正確に分析可能なα線放出核種の分析方法を提供する。 【解決手段】α線放出核種の分析方法は、α線放出核種を含む溶液を薄層プレートに滴下し、薄層クロマトグラフィによって、α線放出核種を化学形毎に分離する分離ステップ(S11)と、放射線のうちα線を選択的に可視光線に変換するα線シンチレータを介して、線放出核種が化学形毎に分離された薄層プレートを撮像する撮像ステップ(S12)と、α線放出核種の各化学形に対応するスポット領域の輝度値を、撮像ステップで撮像した画像から抽出する抽出ステップ(S13)と、輝度値とα線量との予め求められた対応関係に基づいて、抽出ステップで抽出した輝度値に対応するα線量を、α線放出核種の化学形毎に特定する特定ステップ(S14)とを含む。

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